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● ジェネリック医薬品とは |
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ジェネリック医薬品(後発医薬品)とは、新薬の独占的販売期間(特許期間および有効性・安全性を検証する再審査期間)が終了した後に発売される、新薬と同じ有効成分で効能・効果、用法・用量が同一であり、新薬に比べて低価格な医薬品のことをいいます。
ジェネリック医薬品は、新薬に比べ、研究・開発費が少額で済むため、低価格の製品を提供することが可能となります。
欧米では有効成分の一般名(generic name)で処方されることが多いため『ジェネリック』と呼ばれています。
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● ジェネリック医薬品の意義と役割(厚生省薬務局)
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医薬品の特許期間は20〜25年間あります。その期間は特許開発者が独占的に製造・販売できる権利を有するため、ジェネリック医薬品は提供できません。しかし、特許期間満了に伴い、その有効成分や製法などは、何人でも自由に利用することができ、いわば新薬は『社会的に共有の財産』となり、ジェネリック医薬品として広く国民に益されるようにすることが可能となります。
ジェネリック医薬品の最大のメリットは、新薬と同等の有効成分・効能がありながら価格が安いということです。本格的な高齢化社会を迎え、ジェネリック医薬品の提供を通じて医療費の国民負担を軽減する役割をもち、同時に医薬品市場の競争を促進して医薬品価格全般の抑制に寄与する意義も併せてもつものです。 |
● ジェネリック医薬品の有効性と安全性 |
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ジェネリック医薬品は「規格および試験方法」「安定性試験」「生物学的同等性試験」の項目で審査され、新薬と同等か同等以上の有効性と安全性が実証されて販売されます。
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(1) |
規格および試験方法 |
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原薬および製剤の規格・試験方法は、国の厳格な審査を受けて承認されます。
対象となる新薬と同等またはそれ以上の規格設定が承認の条件となっており、ジェネリック医薬品の品質は新薬と同等またはそれ以上が担保されます。
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(2) |
安定性試験 |
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市場流通期間中の品質を保障するために必要な安定性試験が実施され、使用時の品質が保証されます。 |
(3) |
生物学的同等性試験 |
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ジェネリック医薬品と対象となる新薬が生物学的に同等性であることが実証されます。
この試験により改めて臨床試験を行うことなく、有効性と安全性の同等性が担保されます。
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● ジェネリック医薬品の現状 |
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わが国の国民医療費は平成22年度には約37.4兆円(実績見込)になるといわれています。そのうち約2割(約6.6兆円)を薬剤費が占めています。医薬工業会の調査によると、代替可能な新薬をジェネリック医薬品に変更すると約1兆円強の薬剤費の削減が可能と試算しています。
すでにジェネリック医薬品の使用促進を進めている健保組合では10〜15%程度の削減効果が報告されている例もあります。
わが国においてジェネリック医薬品は、かつての薬価差額の問題や、ジェネリック医薬品に対する理解不足などのさまざまな理由により、欧米に比べ、普及率が低くなっています。
医療制度改革を控え、国もジェネリック医薬品の普及を医療費抑制の政策として積極的に促進しており、また2005年から名薬といわれている薬剤の特許期間が次々と終了してきています。
今後 利用率は欧米並みに進んでくるものと考えられます。
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高血圧薬剤を1日2回 |
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糖尿病薬剤を1日3回 |
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高脂血症薬剤を1日1回 |
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骨粗しょう症薬剤1日1回 |
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※一般的にジェネリック医薬品の薬剤費は新薬の2〜8割といわれている。
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● 当組合の取り組み |
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健保財政のためだけではなく、当然、被保険者の方々も家庭での医療費の大幅な節約に役立ちます。とくに生活習慣病など慢性疾患の方には大きな節約をもたらすと思われます。
今後、当組合ではあらゆる機会を利用してジェネリック医薬品の利用促進を図っていく考えです。
当面、『健保だより』や『ホームページ』を活用し、ジェネリック医薬品の啓蒙活動を実施してまいります。
被保険者および被扶養者のみなさんにおかれましては、ジェネリック医薬品の意義と内容をご理解いただき、積極的に利用を促進していただきたくお願いいたします。
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● ジェネリック医薬品を利用するには |
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ジェネリック医薬品は、医師の処方せんを薬局に持参して購入します。
2006年から処方せんの形式が変更され、ジェネリック医薬品が利用しやすくなっています。
処方せんの備考欄に『後発医薬品(ジェネリック医薬品)への変更について』の欄があり『医師の可』との署名があれば、患者は新薬かジェネリック医薬品かを選ぶことができます。ただし、すべての新薬にジェネリック医薬品があるというわけではありません。また 基本的に処方は医師の判断に任されます。
すでに新薬を処方されている方はジェネリック医薬品に変更できるかどうか医師に相談しみるとよいでしょう。
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日本ジェネリック研究会のホームページにある「かんじゃさんの薬箱」では、現在の処方薬に替わるジェネリック医薬品の検索や処方に積極的な医療機関・薬局の一覧などの情報を提供しています。
医師にジェネリック医薬品の希望を伝えるときに便利な「ジェネリック医薬品お願いカード」(保険証と一緒に窓口に提出)のダウンロードも可能です。 |
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